データ収集、解析時間が大幅減!ノバセルアナリティクス導入で実現したDMM.comのテレビCM運用術

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    電子書籍や動画配信、DVDレンタル、太陽光発電など多角的にコンテンツを提供するDMM.com。これまで、各事業でさまざまなテレビCMを打ってきたが、「事業間での知見やデータの共有がでていないなか効果が見えづらい」という悩みから、「ノバセルアナリティクス」を導入した。同社のマーケティング本部 デジタルマーケティング部 部長の武井慎吾氏と、ノバセル事業本部 ノバセルアナリティクス事業部 ノバセルアナリティクスG マネージャーの楠 勇真氏に、ツール採用から運用までテレビCMを成功へ導くポイントを聞いた。


    さまざまなテレビCMの実施で見えてきた課題

    ——DMM.comが「ノバセルアナリティクス」を採用したきっかけから教えてください。

    武井慎吾(以下、武井) DMM.comは58の事業を抱えていて、これまでさまざまなテレビCMを放映してきました。ところが、事業が拡大するなかで、各事業間で実施したテレビCMの効果など、情報共有がされていなかったんです。私はもともとデジタルマーケティングの出身ということもあり、WEB広告と同じようにテレビCMの効果を可視化し、事業全体で共有、評価ができるように改善していきたいと考えていました。そんなときにノバセルアナリティクスの存在を知り、導入に踏み切ったんです。

    ——では、ノバセルアナリティクスについて、楠さんからご説明いただけますか?

    楠 勇真(以下、楠) ノバセルアナリティクスは、これまで難しかったテレビCMの効果を、番組別・クリエイティブ別にリアルタイムに可視化する、独自に開発した効果分析ツールです。テレビCMの前後の差分分析というだけではなく、テレビ番組一本単位で効果を可視化できるのが独自性だと考えています。事業会社としてやってきた知見をすべて入れ込んでいるプロダクトで、我々の強みとしての「分析」に価値を感じていただけるのではないかと、ノバセルの全体サービスから切り出しての提供も始めました。

    そもそもノバセルは、ネット印刷事業の「ラクスル」から始まった会社です。創業時からWEBマーケティング戦略で成長してきたものの、次第に限界を感じるようになった。そこで目をつけたのが、テレビCMだったんです。自らが広告主としてCMを実施しながら、効果検証を含めて内製でやってきたノウハウは、ほかの事業会社さんにも価値があるのではないか、ということでサービス化に至ったわけです。テレビCMの企画、制作、放映、実施、放映分析までワンストップで提供するのがノバセルの全体サービスです。そのサービスのなかに、ノバセルアナリティクスやコンサルティングサービスも付随しています。


    ——DMM.comは、そんなノバセルのサービスのなかからノバセルアナリティクスを切り出して活用されています。

    武井 テレビCMの効果をきちんと可視化できていなかったことに課題を感じていたんですよね。効果が可視化できていないということは、CMをやる、やらないの判断もできないんです。実施の意思決定はそれまで、「なんとなく良かったから」とか「ほかの事業部門もやっているから」といった曖昧な理由だったので、そこを変えたいというのがノバセルアナリティクス導入の背景のひとつでしたね。

    そもそもノバセルに決めた理由は、大きくふたつあります。ひとつ目が、我々が導入した当時、他社に比べて他業界や企業への導入実績があったというところ。ふたつ目は、ラクスルという“いち広告主”がCMを重ねるなかで作り上げていったツールなので、自身の成功体験があるところです。さらに、単純にツールを使用するだけではなく、我々の課題やわからないことがあったときに、ラクスルにアドバイスをもらうことができる。そういったことを含めて、我々のテレビCMの再現性なども上げられるんじゃないかという期待があり、利用させていただくことにしました。

    合同会社DMM.com マーケティング本部 マーケティング部 部長 武井 慎吾氏
    合同会社DMM.com マーケティング本部 マーケティング部 部長 武井 慎吾氏

    ——事業者目線で開発されたツールなので、見やすさや指標の出し方など痒いところに手が届く設計である、というわけですね。

    武井 2020年7月にアナリティクスを導入したので、利用し始めて1年半くらいになりますが、機能面における我々へのヒアリングに対応して、素早いスピードでアップデートされていることにも感謝しています。今後もさまざまなプロダクトの拡張を予定されていると思いますが、こちらが欲しいニーズに対してドンピシャに合わせてくれるのがありがたいですね。

    楠 ツールの差別化要素としては、我々が特許を取得した分析手法などもありますが、最終的にはどういう会社がやっているのか、どういう考えから作られているのかというところが優位性になっていくのではないかと考えています。我々の1番の強み、独自性は、事業会社としてやってきた知見やスタンスを提供できるというところで、どの会社様にご提供する際にも評価いただける部分だと思っています。


    ノバセルと自社のデータで精度の高い分析が可能に

    ——現在のDMM.comでは、ネット広告と同じような粒度で分析できる体制がある、リアルタイムにデータが可視化できる、一部の人だけではなく誰でも自由に分析が見られる環境があるということですが、この体制を作るのにノバセルアナリティクスが役立っているのでしょうか。

    武井 そうですね。まずテレビCMの効果を分析するにあたり必要なのが、放映に関わるデータと、テレビCMに接触したユーザーの流入以降のデータです。ノバセルアナリティクスでは、テレビCMから流入した最初のコンバージョン(CV)などのデータがリアルタイムで見られます。加えて、CVした翌月に何かを買ったのか、結果としてLife Time Value (LTV)はどれくらいになっているのか、実際にテレビCMにかけた費用を回収できているのかなど、弊社側のデータベースのデータと掛け合わせる必要があるものもあるので、内製のダッシュボードに表示して観測しています。

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    ノバセルアナリティクスダッシュボードイメージ

    ——リアルタイムでデータが見られることにより、会社内での変化はありましたか?

    武井 意思決定のコミュニケーションのスピードが早くなると同時に、数値が目に見えることにより具体的な議論ができるようにもなりました。放映期間中に、良い部分をより強調するとかと悪いところをカットするなど、すぐにアクションが取れます。

    また、効果の改善にもつながるので、放映期間中に数値を見ながらリアルタイムに分析できるのは画期的でした。ひいてはテレビCMの放映期間が終わって、振り返りのレポーティングにも役立ちます。以前はデータをさまざまな会社から取り寄せていましたが、データ収集だけで1、2カ月ほどかかり、そこからレポーティングすると3カ月後になってしまうんですよね。現在では、初速のデータはノバセルアナリティクスで自動的に収集できるので、作業時間を大幅に削減できています。


    ——テレビCMを実施した知見を、ほかの事業にも横断的にできるようになってきますよね。

    武井 レポーティングのクオリティを標準化することができました。これまで、事業によって内容がバラバラでしたが、どれを見ても同じクオリティのものが見られるという状態を作れたのは、大きかったですね。これからCMを検討するという事業がそのレポートを見られるので、テレビCMをやりたいというニーズは各事業から出ています。


    可視化することは目的ではなく、その上での運用を考える

    ——楠さんにも取り組みについてお伺いします。ノバセルアナリティクスを活用するほか、DMM.comのマーケティングのどのようなところがテレビCMで成果を出しているポイントだと思いますか?

    楠 テレビCMに対しての向き合い方でしょうか。デジタルマーケティング出身の方々って、我々の考え方をすぐに理解いただけるんですよね。テレビCMの効果を可視化して、中間地点で運用して改善していきたいという思考を持たれているDMM.com様のような企業には、我々の考え方はフィットしているかなと思います。

    ノバセル株式会社 Saas事業部 楠 勇真氏

    ラクスル株式会社 ノバセル事業本部 BizDevマネージャー 楠 勇真

    ——最後に今後の展望や、読者へのメッセージをお願いします。

    武井 効果を可視化することは目的ではなく、過程に過ぎず手段なので、その上でどうするかが重要だと思います。例えば、テレビからのお客様は他の集客チャネルからの流入者とその後の行動傾向が違うことが見えてきています。ですのでテレビCMユーザー群を切り出し、流入や課金・LTVなどの状況を見ながらユーザー群に合わせた施策を引き続きどんどんやっていきたいと思います。

    楠 武井さんのお話を聞いて、我々の果たしている役割が、テレビCMの効果の可視化を起点としてテレビCMを運用していく、WEB広告と同じように運用できるということを実現するツールだと感じられました。DMM.comさまとの取り組みの話では難しそうに聞こえたかもしれませんが、我々のツール自体は簡便ですので、うちには難しいかもっていう企業様でもすぐにCMの効果を可視化できるようになりますし、運用できるようになっていくと思います。

    武井 私が初めてノバセルアナリティクスを使った時、いい意味で、思っていたよりも簡単に使うことができました。テレビCMは効果測定が難しい印象で、億劫になってしまう方もいるかもしれないですけど、意外と簡単にやれちゃうっていうことを、実体験として感じています。

    楠 我々は代理店ではなく、事業会社として成長してきた会社でもありますし、この先も事業会社として広告主の皆様のサポートをしていきたいと思っています。だからこそ、さらにそこに寄り添ったプロダクト、ツールに進化して行きたいです。


    ノバセルサービス資料をダウンロード:https://novasell.com/documents/1