【ランキング】2022年3-7月 自動車業界 指名検索スコアランキング

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    「ノバセルトレンド」を使って自動車CMの効果を測定・比較分析してみた

    ノバセルが提供する、あらゆるテレビCMの効果を可視化する「ノバセルトレンド」。自社や他社のCM放映中、さらには前後数分間に増えたウェブの指名検索数をCMのインプレッション数で割った「指名検索スコア」をさまざまな条件で計測することにより、曜日・時間帯や番組別のテレビCMの効果や、クリエイティブごとの効果の違いなどを数値で確認することができます。

    具体的にはどう使うの? どんなことがわかるの? というみなさまの疑問に答えるべく、実際に「ノバセルトレンド」を使ったCM効果測定・分析結果をご紹介。今回の対象は、昔から業種別の広告費ではつねに上位にランクインし、テレビでCMを見ない日はないと言っても過言ではない「自動車」です。

    「トヨタ・クラウン」が念願の若返りに成功!?

    2022年3月~7月にCM放映のあった自動車の車種は全40種以上。車種ごとのCMの指名検索スコアを測って上位10車種をピックアップしたところ、以下の結果になりました。

    ボディタイプに関してはカーセンサー(https://www.carsensor.net/)での定義を参照しております。

    ※ノバセルトレンド参照

    ※放映回数 / インプレッション(単位:100万):「インテージ Media Gauge TV/エム・データ 全国CMマスタ」

    ※集計期間2022/3/1-2022/7/31

    1位は、7月15日に16代目となる新型モデルを発表した「トヨタ・クラウン」。指名検索スコアは2,270で、2位以下を大きく引き離しています。

    CM放映期間中の検索数の増減を見ると、以下の通り、特設サイトで新型クラウンの正式発表があり、CM放映が開始された7月15日前後に検索数が爆発的に伸びました。

    ※YahooDS.INSGHT参照

    次に、CMが放映された7月と放映直前の6月の年代別検索数シェアを見てみましょう。6月の時点で17%だった30代の検索数シェアが7月には20%に。40代は21%が27%に、50代は20%が23%にそれぞれ増えていることから、CMによって30~50代の検索数が伸びたことがわかります。

    ※2022/6/1~6/30および2022/7/1~7/31の対比

    ※YahooDS.INSIGHT参照

    従来は「トヨタ・クラウン」といえばシニア層に人気のセダンというイメージがありましたが、今回発表された新型クラウンはセダンとSUVを融合したクロスオーバー。世界的なSUVの流行も相まってか、30代・40代の検索もしっかり促すことができています。少なくともウェブの検索数では、ここ数年のクラウンの悲願だった若返りに成功したと言ってもいいかもしれませんね。

    ボディタイプは世界的なトレンド・SUVが上位に

    ボディタイプ別の比較では、新型クラウンの牽引により「セダン」の指名検索スコアがぶっちぎりの1位という結果になりました。新型クラウン、おそるべし。

    ※ボディタイプはカーセンサー(https://www.carsensor.net/)での定義、区分を参照

    ※対象台数が1種のオープンとクーペは除外

    試しに影響の大きい新型クラウンを除外して集計してみたところ、以下の結果に。

    (新型クラウン抜きでの集計)

    1位の「SUV」には、やはり国内外でのSUV人気の高さが見て取れます。3位「ハッチバック」は、CM放送回数が5,317で最多。このうち約半分をダイハツのハッチバックが占めており、なかでも「ムーヴ」のCM放映回数は1,200回とダントツに多いのですが、これには7月にフルモデルチェンジされた「ムーヴ キャンバス」が発売されたことも影響していると考えられます。

    ティザーCMの効果が良い理由

    ここからは、今回の計測でもっとも指名検索スコアの高かった新型「トヨタ・クラウン」のCMによる効果をさらに詳しく分析していきます。

    まず、クリエイティブごとの指名検索スコアランキングは以下の通り。

    先ほどもお伝えしたように、新型クラウンの詳細が特設サイトで正式発表されたのは7月15日。その後に放映がはじまったテレビCMよりも、正式発表の直前、7月11日と12日から放映しているティザーCMのほうが反響が大きいことがわかります。

    では、それぞれのCMを実際に見てみましょう。ティザーCMはこちら。

    【クラウン】ティザーCM「ポートレート」篇 30秒

    ティザーCMでは車のボディのアップを部分的に見せるものの、車全体が映っている引きのカットはありません。正式発表前ということもあり、あえて全容を見せず、かつ「What is CROWN?」「SEDAN? SUV?」などのミステリアスなコピーを配することで、視聴者の興味を喚起する狙いがあったのでしょう。その人たちが検索行動に移ったことが高い指名検索スコアの要因だと考えられます。

    一方、テレビ通常のCMはどんな内容なのでしょうか。

    【クラウン】TVCM「ポートレート」篇 30秒

    正式発表後の7月16日から放映がはじまった通常のCMは、ティザーCMとは逆に車全体が映っている引きのカットばかりで、前述のミステリアスなコピーもありません。街中や高速道路を駆け抜ける美しいクラウンを前面に押し出した、王道の自動車CMに仕上がっています。

    新型クラウンのCMが刺さったのは「平日朝・夜間」

    最後に、どのテレビ番組で流れたCMがより効果的だったかを測定するため、テレビCMが流れた番組別の指名検索スコアを見てみましょう。

    ※放映回数5回以上

    1位は「グッド!モーニング」(テレビ朝日)で、2位以下は「世界陸上オレゴン2022」(TBS)、「報道ステーション」(テレビ朝日)、「news zero」(日本テレビ)、「FNSドキュメンタリー大賞」(フジテレビ)、「ポップUP!」(フジテレビ)などが続きます。

    「グッド!モーニング」の放送時間は平日の早朝、「世界陸上」は毎回放送時間が異なるものの、ほとんどが午前中の放送でした。それらと同様に上位にランクインした「報道ステーション」「news zero」といった夜のニュース番組も含め、平日の朝や夜間は指名検索スコアが高く、逆に平日の深夜や昼間は指名検索スコアが低いことがわかります。

    「世界陸上」は放映回数がもっとも多く、視聴者を想定ターゲットに見立てたトヨタ・クラウンの狙いがうまくはまったことが推測できます。

    以上、駆け足ではありますが、自動車CMの分析結果をご紹介しました。

    このように「ノバセルトレンド」を使えば自社や他社のCMの効果を数値で把握したうえで、新しいCMの素材制作に活かしたり、より効果・効率的なCM放送枠の選定に活かすことができます。興味をお持ちいただけたら、こちらから気軽にお問い合わせください。